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技は見て盗め
https://note.com/ageratum_kobe/n/n60c81d786b9c
様々な職人の世界といえば、厳しい修行や師弟関係が思い浮かびます。
一見すると非効率に見える慣習も、その裏には技術を体得するための合理的な考え方があります。
「見て覚える(目を鍛える)」が重要なのは、言葉で教えてもらう前に自分の頭で考えるクセをつけなければならないから──。
見て盗むが重視される訳
1、将来的に独り立ちさせることを前提とした独立型
2、技術や理論を教えてみんなでより良いものを作ろうとした工場型
この2つで教育の仕方は変わります。
独立型教育の職人は、独立して自分のお店を持ったら、その時点でライバルの同業者です。
たとえ弟子や他の職人にお店の中を見せないし、技術的な相談にも答えてもらえません。
仕事情報はなるべく隠しておきたいです。
だから師匠のもとで修行しているときが、唯一見て学べる場所なんです。
昔の職人さん達はあまり教えてくれません。
近年は色々と教えてくれる所も増えてきました。
昔は、自分で見て学んで、ある日突然師匠から「これをやってみろ」と言われるんです。
そこでできないと答えたら「今まで何を見てきたんだ」と叱られる。
だから必死で師匠や先輩の仕事を横目に見ながらああやるんだ、こうやるんだと自分なりに考えて学んできました。
職人として独り立ちするには、技術力だけではなくお客さまとのコミュニケーションを円滑に進める力やコストとクオリティのバランスを管理する力も求められます。
そういった言語化して教えることが難しい部分も、修行時代なら日々の仕事の中で師匠の振る舞いを見て学ぶことができます。
独立型教育の場合は弟子が将来的に独立する前提で育てているので、技術だけでなく独立後に必要なすべての能力を師匠の背中から学ぶという意味で見て盗むが重視されているのかもしれません。
職人としての基本的な知識や技術を獲得するために、専門学校や講習会などの理論的な知識や基本技術を教わる、これは工場型教育です。
そして、お店でマニュアルや手順書など制作し、同僚としてみんなで技術を向上させていこうと協力できるのは工場型のいいところです。
せっかく先輩職人たちにいくらでも質問できる環境なのだから、若い職人たちは先輩に聞いて彼らの技術をどんどん取り入れていけばいいと思います。
しかし、職人の技術は自分の体の感覚や使い方に依るところも大きいので、言葉ですべてが説明できるものでもないんです。
同じ作業でも自分ならどうするか、自分が作業しやすい手の置き方や姿勢はどうだろうと考えて自分なりに体得していくしかない。
そのためには、師匠や先輩たちが今何をどうやっているのかに対して常にアンテナを張って、やらせてもらえるチャンスがきたときにチャレンジする時に、できるだけの自分なりの仮説が必要なんです。
そして、先輩からアドバイスをもらったらまずは一度取り入れてみたらいい。
そうやって試行錯誤することでしか、技術は身についていきません。
技術には答えがありません。
技術は自分の頭と体で学ぶものであり、言葉だけでは説明できません。自分なりの仮説を立ててチャレンジし、試行錯誤を重ねていくことが大切です。
この2つの教育方法は今の時代どちらも必要です。
「見て盗め」の本当の意味
「目で盗め」=「お前には教えない」
と思っている人が意外に多いと思います。
昔はそんな職人も沢山いたかもしれないけど、
今の時代あまりいないと思います。
「目で盗め」=「マネをしろ」
って言ってるんですよ。
真似してやってみて手直ししてもらうのが一番早いもの。
『学ぶ』の語源は『真似ぶ』(まねぶ)
何となく見るのではなく、真似ることができるくらい真剣に見ろと。
真似るためにはそれこそ穴が開くほど見る必要がある。
持久的な集中力も必要で、目的意識がないと中々続くものではないです。
でも結局これが一番近道。
ゴルフをした事ない人に、振り方を教えるのに一番の近道は「振ってみせる」
街中でとても綺麗な人やイケメンがいたら見てしまいませんか?
興味があるものは目で追うものです。
自分が上達したいと思っているならば、
上手な人がそれをやっていたら見ずにいられないし、見ていて「あっ」と思うことがあります。
何より、本人に興味がないことはどんなに、
こちらから教えても頭に入っていかないんです。
そして、質問したり真似してみたりする。
いつまでたってもカットが上手くできない人が
すぐ横で師匠、先輩がそれをやってるのに見もしないってのは結局
「上手になりたいと思ってないんじゃないの?」
って思いますよ。
求めてないものをあげることはできない
「しっかり手元を見てろよ」=
「教えてもらう準備ができてるか?」
準備ができてるなら仕事しながら解説もしてあげたいけど、興味がないヤツに教えても覚えてもらえないからバカバカしいからやめよう
ってなります。
逆に、手元を真剣に見てる人がいたら、
教えてあげたいと思うと思います。
向上心を持って自分から学びにいかないと、技術はなかなか身につかないと思います。
最後に
「目で盗め」=「お前には教えない」「教え方がわからない」
と思っている人
順序が逆だと言いたいです!
学びたいのなら一度考え直してみてください。
マニュアルや動画で教えられるようなモノは本当の職人の技ではない。
動画や文章や口頭では伝えられない「感覚的なモノ」を磨いて手にするのが本当の職人技。
身につけるにはやっぱりそれなりに時間がかかります。
諦めないでやっていけば、きっと上手くなります!
神戸市の会員制理容室Ageratumアゲラタムブログ